核心を捉える勉強とは
授業または自習に来る高校生が時々、「授業で○○をやってるんですけど、全然分かりません」
と言ってくることがあります。
そんな時たいてい私は、「○○ね。それって私が知ってることは△△が□□なことだけだよ。
これさえ分かっていれば○○はだいたい解けるはず。」と答えます。
実際それだけ言うとその高校生は問題を解けるようになります。
私が大学受験に向けて勉強し始めた時、受験勉強は知識を詰め込む果てしない作業だと思っていました。
しかし受験勉強を進めていくと、それとは全く違うことが分かってきました。
勉強を重ね、知識と知識が結びついてくると、
「要するにこれが分かっていればよかったのか」と気が付くようになりました。
そして理解がその分野の核心に近づくと、分かっていなければいけないことは
最初に想像していたよりもずっと少ないことが分かってきました。
そして理系教科の殆どの分野でそれを感じた時、国立二次試験と私立の勉強は終わったと感じました。
それが入試の約4か月前で、入試当日は「これで落ちてるはずが無い」と思えるほど会心の出来でした。
当該の高校生に伝えたのは、当時私が掴んだ「核心」です。
その高校生は、また別の日に「これも『これが分かっていればいい』っていう風に教えてください」と言ってきます。
しかし、私としては自分自身でそれを掴んで欲しいと思っています。
それを自分で掴んだ時に目の前のベールがすっと剥がれて、これまでぼんやりしていた世界が鮮明に見えてきます。
その瞬間の感動こそが勉強の醍醐味だと思います。
大学入試は基本的に見たことも無い問題が出ます。
それを「見たことも無いから分からない」としてしまうとそれで終わりです。
出題者は、見たことも無い問題を基本的な知識で解き抜く力を試しているのです。
「入試は答えのある問題を解くだけだから、受験勉強で未知の問題を解く力は育たない」と言う人がいますが、
それが的外れなのは明らかです。
知識と知識を結び付けて核心を捉え、未知の問題を乗り越えられるような勉強を目指してもらいたいと思っています。