英語が小学校でも教科化され、英語学習に関心が高まっているようです。
そもそもこの先10年後、20年後の社会で日本人にとって英語力がどのくらい必要とされるかは
議論の余地が大いにあると思いますが、政治主導の英語改革により学校で学ぶ英語は前倒しされ、
生徒の英語に対する負担は大きくなりました。

しかし私が日頃中高生を指導していて思うのは日本語力の低さです。
帰国子女でなければ、日本語力と英語力はかなり相関するのではないかと思っています。

日本語における語彙、修飾被修飾の関係、品詞の理解が十分でないと、
日本語の言葉と英単語の関係や、日本語の文法と英文法の関係が曖昧になります。
例えば英作文を書かせると元の日本語に書かれていないことを書いたり、必要な単語は書いてあっても、
語順が無茶苦茶で何が言いたいか分からない英語になったりすることがあります。

「文法は多少間違っていてもいい」という人もいます。それは確かにそうかもしれませんが、
文法がよく分かっていない生徒に、自分の英語の間違いが「多少」なのかどうか分かるはずがありません。
日本語をしっかり学び、その上で日本語と英語の違いを正しく理解して、
日本語と結び付けながら英文法をひとつひとつ理解して積み上げていくことが大事だと思います。

日本語が母国語である以上、英語は母国語以上に話せるようには決してなりません。
英語の伸びしろを大きくするためにも、日本語をしっかり学びましょう。