なぜ先取り学習が軽視されるのか
当教室では多くの高校生が数学と英語の先取り学習をしています。
高校入試は問題無さそうな中学生の何人かも先を見越して高校数学・英語を進めています。
それによる主な効果として以下の2点があります。
1.学校の授業が復習となり、知識が定着し理解が深まる。
2.先取りをすることにより、入試全範囲を早期に終わらせ他の生徒より早く入試に向けて
それぞれのレベルや志望校に応じた問題演習を進めることができる。
特に2については県立進学校の生徒にとっては重要です。
なぜなら難関大、難関学部を志望する生徒にとっては相手となる受験生の多くが中高一貫校の生徒であり、
彼らは県立高校よりも約1年先に進んでいるからです。
それに浪人生が加わります。彼らは当然1年以上進んでいます。
基本的なことを教わっただけで核心を掴み応用問題まで一気に解けるような超優秀な生徒でない限りかなり不利です。
逆にだからこそ中高一貫校ではどんどん先に進めて先行逃げ切りを図るのです。
しかし残念ながら県立進学校の生徒に先取り学習の重要性についてなかなか認知されないと感じています。
恐らくそれは主に普段接している人たちが同じ高校の生徒だからです。
定期試験で周りの人たちとの順位を比較し、その順位で一喜一憂します。
模試もあると思いますが、その結果が悪くても定期試験で取れているから、
校内順位は悪くないから何とかなるだろうと思ってしまいます。
模試にしても難関大を目指すなら進研模試はあまり参考になりません。
難関大を受験する生徒が多く通う上位の高校の生徒は受けていません。
河合模試か駿台模試の結果を参考にすべきです。
逆に進研模試も取れないようではお話にならないとも言えます。
学校のペースで進めていると、理系で言えば数Ⅲや理科など主要教科が終わるのは早くて夏で、
通常は秋、遅ければ冬ということもあります。
そこから入試に対応できるレベルまで上げていくのは相当センスに恵まれた生徒でないと至難の業です。
しかもその時期は1月に控えた共通テストの勉強もありそれらの教科を深めるために十分時間が割けません。
しかし、その事実に本人が気が付くのがその頃なのです。
気がついたら手遅れだったという言わば「ゆでガエル」の様な状態です。
結果的に志望校を1ランク、2ランク下げたり、行きたかった学部に行けなくなってしまったり、
現役合格を諦めてしまったりします。
そうならないためにも、先取り学習の重要性を多くの県立進学校の生徒に気が付いて欲しいと思います。