算数や数学では、文章題であれ図形の問題であれ、最終的にはすべて計算が必要になります。

だからこそ、計算は「正確に」、そして「ある程度のスピードで」解けるようにしていくべきです。
もちろん、ある日突然そうなれるわけではありません。しかし、それに近づくための確実な方法があります。
それが、「途中式を書くこと」です。

途中式を書くことで、たとえ答えが間違っていても、どこでミスをしたのかを自分で辿ることができます。
そして、間違いのパターンを自覚し、次に同じミスを繰り返さないようにすることで正解率は自然と上がっていきます。

逆に、途中式を書かなかったり、書いていても自分でも読み違えるほど字が雑だったりするのは、
言い換えれば「計算ミスしたい」と言っているようなものです。
計算の過程を丁寧に書けない子が、算数・数学のより複雑な分野の式を正しく書けるはずがありません。

算数・数学は、学年が上がるほど、また問題が難しくなるほど、図や式を書かないと解けない問題が増えていきます。
今は「書かずに解けて正解できる」かもしれませんが、
そういった子たちは、学年が進むにつれてだんだん成績が下がっていくのが実情です。

最近では、入試だけでなくさまざまな場面で「考え方や式」を書かせる問題が増えています。
なぜなら今の社会では、単に「正解を出す」だけでなく、
「どう考えたのか」「なぜそう考えたのか」を相手に伝える力が求められているからです。
自分の考えが相手に伝わらなければ、正当に評価してもらうことはできません。

なぜ親や先生が「途中式を書きなさい」と繰り返し言うのか。
それは、あなた自身のためなのです。