国公立大志望から私立大志望への変更に勝算はあるか?
受験勉強が本格化するタイミングもしくは受験間際になって多教科の勉強が負担になるということで
国公立志望から科目数が少ない私立志望に変更しようとする生徒がいます。
その方が1教科あたりの勉強時間を稼ぐことができて合理的だと考えるのでしょう。
しかしそれが必ずしもベストな選択とは限りません。
実際には国公立、私立どちらにも共通する教科、理系だと英数理だけを見ても
国公立志望の方が伸びるケースの方が多いように思います。
駿台予備校の調査でも「5教科受験の生徒」と「3教科受験の生徒」の「3教科の成績」を比べると
「5教科受験」の生徒の方が成績が良いようです。
理由は主に二つあるように思います。
1.教科同士にリンクしている部分があり、ある教科を深く理解することで他の教科の理解が深まることがある。
関係無さそうな教科同士でも共通因子が潜んでいる。
2.やらなければならない勉強が増えることによって精神的に緊張感が増し集中力が増す。
私は受験生の時に関西在住だったので最初は京都大学を考えていましたが、
私にとって憧れの存在だった東京大学を調べてみると二次で理系教科に加えて
国語が必要な東京大学を目指した方が必要な勉強量が増えて集中力が増すだろうということと、
よく言われていることですが国語力があると他の教科もできるようになると考えて
それまで憧れでしかなかった東京大学を本気で目指すことにしました。
私の場合は教科を減らすのではなくむしろ増やす選択をしたわけですが、
結果的に全ての教科が想定を超えるほど飛躍的に伸びました。
元々勉強が出来たのではないかと思われるかもしれませんが、成績は学年で中の上くらいで、
「東大、京大を目指す」と言おうものなら嘲笑されるレベルでした。
恐らく京都大学志望のままだったとしたら東京大学に届かなかったどころか、
京都大学もどうだったか分かりません。
一方で私立は早稲田の当時一番難しいとされていた理工の物理を受験しましたが、
試験直後に「これで落ちてるはずない」と思うほど会心の出来でした。
その私立に進学したくて私立志望にするのは良いと思いますが、
安易に教科数を減らすために国公立志望を私立志望に変更するのは慎重に考えた方が良いと思います。