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中学生は英語を話す力が弱いと言えるのか?

今年「全国学力テスト」が小学6年生と中学3年生およそ190万人に対して実施されました。

その中で中学英語の正解率は「聞く」(58・9%)と「読む」(51・7%)に比べ、
「書く」(24・1%)と「話す」(12・4%)だったそうです。

これに対し、永岡桂子文部科学相は会見で
「『書くこと』『話すこと』に課題があることが改めて明らかになったと捉えている」
と述べています。同じような論調の新聞等のメディアも多く存在します。

この試験はそれぞれの技能が等化されていないと私は理解しています。
つまり、例えば「聞く」の58.9%は「話す」の12.4%よりも高い能力であるとは言えないということです。
そもそも正解率12.4%というのは試験作成に失敗している疑いもあります。
それにも関わらず、今の中学生は他の技能と比べて「書くこと」「話すこと」に課題があるとなぜ言えるのでしょうか。
文部科学大臣ともあろう人がそのような非論理的なことを言うのは、
印象操作を使った何らかの思惑があるのではないかと勘繰ってしまいます。
現状見られるような文法を軽視し、コミュニケーションに偏った学校授業をさらに加速しようということでしょうか。

私は現在の指導要領は読み書きの力を低下させると感じています。
それは文法よりも「間違ってもいいからコミュニケーション」というメッセージも一因だと思っています。
間違ってもアウトプットすること自体は良いと思います。
しかし、アウトプットする時に文法で考え、間違った時にも文法的に理解し修正するというサイクルが
無ければなかなか改善せず効率を下げると思います。
つまり、文法を軽視する指導が読み書きのみならず英語力全体を押し下げることになるということです。

この全国学力テストについては以前から他にも色々思うところがあります。
今回の全国学力テストの結果を間違って解釈し、間違った方向に英語教育を導かないようにしてもらいたいと思います。

セルモ つくば本部教室
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