浪人が決まった君たちへ
今年の大学受験で志望校に合格できず、浪人しようと思っている人もいると思います。
私も一年浪人した経験を基に、浪人中に心掛けて欲しいことがいくつかあります。
春に志望校を決めると思いますが、その志望校で夏前の模試でA判定を取ることを目指してください。
「一年あるから、少しずつ上げて秋くらいにA判定かB判定くらい出ればいいかな」と思っていませんか?
判定が春から冬にかけて上がっていくのは現役生くらいです。
浪人生は夏以降現役生の猛追を食らうと思っていてください。
ですから夏前までに大逃げを打って、その優位を入試まで維持するのです。
夏前までにA判定というのは多くの浪人生にとってハードなスケジュールになると思います。
そうです。「一年もある」とゆったり構えていてはいけないのです。
そして夏前に志望校A判定を取るのに欠かせないことが2つあります。
1.3月中に苦手な教科、分野があれば復習しておくこと。
多くの人は予備校に通うと思いますが、成績や志望大学、学部によって、然るべきコースに割り振られると思います。
コースによって授業のレベルは色々ですが、全教科、全分野基本的に一定のレベルで授業が展開されます。
そこで苦手な教科、分野があると、授業の理解が不十分で消化不良を起こし、積み残しになります。
そうならないよう、苦手な教科、分野があれば3月中に潰しておかなければなりません。
それだけでも3月中にやらなければならないことはたくさんあるはずです。
2.予習は徹底してやること。
予習をしっかりしていれば、授業の吸収率が上がります。
予習の段階で、「自分はこう考えたんだけど、先生はこれをどう説明するんだろう?」という状態にしておくと、
授業に対する集中度も理解度、定着度も上がります。
私は大学を全落ちして浪人が決まって予備校に入ることを親にお願いした時に志望校を聞かれ、
「東京大学」と答えました。
それを聞いた親は「そんなの無理に決まってる」と笑いました。
現役時は東京大学を考えてもいませんでしたし、それくらい東京大学合格とは程遠い成績でした。
笑われるのも当然です。
予備校入学時は基礎の復習は終えていましたが一番下のクラスでした。
それでも毎日予習をしっかりして授業に臨み、成績を上げ、最後には一番上のクラスに所属していました。
そして入試では東京大学理科Ⅰ類と名古屋大学医学部医学科を受験しました。
その年は国公立大学がA日程B日程という2校受験できる方式で、倍率はそれまでの3倍から6倍に跳ね上がりました。
ダブル合格も多く補欠合格も多く出たようですが、私はどちらも正規合格を得ることができました。
「当たり前のことを手を抜かずにやる」
言うのは簡単ですが、それを一年間貫き通せる熱い思いが必要です。
体調管理も受験勉強のうちです。私は「1日休んだら3日戻る」と思っていました。
食事や環境設定など基本的なことは家の人がやってくれるかもしれませんが、
日々の体調管理は自分でやるしかありません。
体感的に「ちょっとマズいかも」と思ったら悪化する前に休むしかありません。
うまく体調をコントロールして一年間を駆け抜けてください。
私にとって浪人中の一年間はその後の人生の礎としてかけがえのない宝物になりました。
みなさんにとっても「浪人したけれど頑張ってよかった」と思える一年間になることを心から願っています。