物理化学の先取り学習
当教室のある高1生は今月から物理化学の先取りを開始します。
これまで数学を先取りしていて、まもなくIAⅡBの基本的な内容を一通り終え、
IAⅡBの演習を進めつつⅢを開始する予定です。
入学から約半年経ち新しい生活リズムに慣れてきたところで、物理化学の先取りも開始することになりました。
この生徒の高校では高1で理科は生物のみとなっており、本人が選択する予定の物理化学は高2から始まります。
この場合確実に物理化学の受験の範囲が終わるのは高3秋以降になると思われます。
その後に入試に向けて総合演習をやっているようでは入試に間に合わないので、
高2までに数学はもちろん物理化学も終わらせるために先取りを開始することになりました。
特にこの生徒は通学時間が長いので、通学中に映像授業を使ってインプットの勉強をし、
教室でその演習を進めることにしました。
各生徒の事情に合わせて勉強を組み立てるのも当教室の特徴の一つです。
なぜ先取りをするのか?
私は長年テニスを趣味にしていますので、テニスで例えてみます。
テニスを始めると、まずフォアハンド、バックハンド、ボレー、スマッシュ、サービスと
いうように各ショットの打ち方を習っていきます。しかし練習で良いショットを打てるようになったからといって、
いきなり試合に出て勝てるものではありません。百戦錬磨のプレーヤーに簡単に負けてしまいます。
試合では色々な局面で最適なショットを選択し組み合わせることでポイントを取ることが出来ます。
その「戦い方」が分かるようになるために試合を重ね、少しずつ勝てるようになっていくのです。
勉強もそれに似ていると思うことがあります。
入試に出る問題の多くは幾つかの分野の組み合わせであることが殆どです。
難易度の高い入試問題を解けるようになるためには、できるだけ早く全範囲の基本知識を学び終え、
その後から入試までの期間を長く取り、多くの演習(テニスで言えば多くの試合)を積む必要があります。
基本的なことを学ぶだけで本質を掴み、すぐに応用問題まで解けてしまうような超優秀な生徒も稀にいます。
テニスで言えば錦織選手のようなプレーヤーでしょうか。
そういう生徒を例に挙げて、高3の秋に授業が終わり、それからでも志望校に受かると言う先生もいるかもしれません。
しかしそれで志望校に届く生徒は実際は少ないでしょうし、無事合格した生徒でさえも、
もっと早く全範囲の履修を終え演習期間を長く取っていたら、もっと上の大学に合格できたかもしれません。
しかも全ての教科の履修を終える高3の秋と言えば、共通テストに向けて理系なら国語社会、
文系なら理科の詰めの勉強も必要です。二次試験の対象になる教科はそれ以前にある程度完成させておくべきです。
大学受験は高校受験と比較にならないほど厳しい世界です。
みんな自分の人生を賭けて勝負してきますので、高1から計画的に進めていきましょう。