私が苦手な英語を克服したきっかけ
高校の時に出会った英語の先生のことを書きたいと思います。
私は高2生の時、英語で苦戦していました。
元々暗記が苦手で、英語が出来ない原因は単語が分からないことにあるのではないかと思い、
当時多くの同級生がやっていた英単語帳(『試験に出る英単語』通称『しけ単』または『でる単』)
を購入し単語の暗記を始めていました。
ちょうどその頃母に勧められて、とある英語の個人塾に行きました。
奈良のいわゆる「部落」と呼ばれる地域の長屋の中の一軒で看板も無く、
『本当にここで塾やってるの?』と思うような場所でした。
その塾に行って話を始めると、まず先生に「君は『しけ単』やってるのか?」と言われ、
やってて良かったと思い「はい!やってます!」と答えると、なんと「今すぐやめろ」と言われました。
「なんで?単語を覚えて悪いことなんかあるわけないだろう」と思ったのですが、
とりあえずその場は「わかりました」と答えました。
それからその先生に英語を習い始めるのですが、不安で『しけ単』を始めると、
その先生の前でやってるわけではないのに、「お前、また『しけ単』始めただろう」と言われるのです。
この先生には全て見透かされていると思い、それからは『しけ単』を一切やらなくなりました。
元々暗記が嫌いだったので、少しほっとした気持ちもありました。
その後もその先生と一緒に英語の勉強を続けたのですが、次第に面白いように英語が読めるようになり、
一気に英語の成績が伸びました。
その頃になると、なぜ先生が「『しけ単』をやるな」と言っていたか理解できるようになりました。
もうかれこれ約35年前の話なのでその先生はご存命ではないと思うのですが、
私の人生を切り開いてくれたと本当に感謝しています。
塾を始めてから時々本屋の学参コーナーを立ち寄って参考書や問題集を漁ることがあるのですが、
ある日、異質なタイトルの本に目が留まりました。
『単語知らずのための英文読解法』というタイトルです。
手に取って読んでみると、高校の時にその英語の先生に習っていたことの多くが書かれていました。
著者を見るとその先生ではなく、予備校の先生と大学教授によって書かれたものでした。
英語の学習を同じ様に考えている人が他にもいたのだと感激しました。
時間に余裕がある生徒にはその本を読むことを勧めています。
英語を論理的に読めるようになりたいと思う方には必読書だと思います。
今では高校英文法が一通り終わった生徒はマンツーマンでの精読と英作文に移行していますが、
その先生に教えてもらったやり方を実践しています。
偏差値50程度だった生徒は3か月で現在60程度まで伸びています。
入試までには70くらいに達することを期待しています。