今年の県立高校入試に思う
当教室にとって今年で13回目の県立高校入試でした。
これまでで一番衝撃を受けた入試になりました。
近年記述問題が増え、英語は自分の考えを英語で書かせるなど、単一の答えにならない問題が増える傾向でした。
試験として少しずつ良くなってきている印象でした。
しかし、今年の入試問題を見て愕然としました。
・毎年出題されていた、国語の作文、英作文無し。英作文の代わりに並べ替え。
・国語は記述が一切なく、漢字も読みが3問のみ。
・数学は毎年図形の合同または相似証明を全て書かせていたのに記号の当てはめ式に。作図は無くなる。
・理科は答えを書くだけの計算問題が1問で、あとは全て記号問題。
・社会は語句を答える問題が2問であとは記号。
マークシート形式でも問題無いような出題形式でした。
このように変貌した理由は察しがつきます。
昨年県立高校入試で採点ミスが多発し多くの非難が寄せられ改善を求められたからでしょう。
今年は入試から合格発表までの期間が長く取られたので、二重三重のチェックをするなど
各校で採点を厳密化してくれるのかなと思っていました。しかし取られた策が選択問題とは…
そのそも入学試験というのは、その学校で進学後に授業についていける学力があるかを判定するものと理解しています。
近隣の県立高校の定期試験は全ての教科でかなりの記述量を要求されます。
それに対応できるかどうかを判定しなくて大丈夫なのでしょうか?
「選択問題ができること」と「記述問題ができること」はイコールではありません。
現場の先生方は今回の試験について懐疑的に思っていないのでしょうか?
昨年の採点ミスを受けて、作問に関わった先生方は色々議論され工夫されたと思いますが、
結果的にかなり保身になっていないでしょうか?
今回のような入試問題で、本来合格すべき生徒が不合格になるとすればとても残念です。
こんな入試ならマークシートにすれば採点者も楽になるし、
合格発表までの期間も短くなるし先生も受験生もwin-winだと思います。
入学にふさわしい生徒を選抜するのに、こんな入試でいいのならですが。
来年以降の大幅改善を期待しています。